電卓を作る
その３ プログラムを書く
前回，すべての処理をsyoriプロシージャで行うようにしました。
今回は，syoriプロシージャにプログラムを書いてみます。ここでは変数「st」で電卓の状態を場合分けしながら，それぞれの場合にどうするかをプログラミングしてみます。それぞれの状態は以下の通りです。
０…数字が何も押されていないとき
１…数字キーが押されたとき
２…小数点が押されたとき
３…「＋」「－」「×」「÷」の記号が押されたとき
４…記号キーが押された後，数字キーが押されたとき
５…記号キーが押された後，小数点が押されたとき
６…「＝」キーが押されたとき
procedure TForm1.syori(ch: char);
begin
if ch='A' then begin //オールクリアキーが押された場合
st:=0;
label1.Caption:='01';
exit;
end;
case st mod 10 of
0:begin //数字を入力する前の場合
if ch='p' then exit; //数学記号（＋，ーなど）が押されたときは終了
if ch='=' then exit; //＝が押されたときは終了
if ch='C' then exit; //クリアキーが押されたときは終了
if ch='.' then begin //小数点が押されたとき
value1:='0.'; //value1の文字列を'0.'にする
label1.Caption:=value1+'1'; //表示するときには最後に１を付ける
st:=2; //stの値を２にする
exit; //終了
end;
value1:=ch; //上記以外の数字キーが押されたときはvalue1に数字を代入する
label1.Caption:=value1+'1';
st:=1; //stの値を１にする
end;
1,2:begin //数字や小数点が押されている場合
if ch='p' then begin //数学記号が押されたとき
st:=3; //stの値を３にする
exit;
end;
if ch='=' then exit; //＝が押されたときは終了
if ch='C' then begin //クリアキーが押されたとき
label1.Caption:='01'; //表示を'01'にする
st:=0; //stを０にする
exit;
end;
if ch='.' then begin //小数点が押されたとき
if st=2 then exit; //もしstが２なら終了
value1:=value1+'.'; //value1に小数点を付ける
label1.Caption:=value1+'1';
st:=2; //stの値を２にする
exit;
end;
//数字キーが押されたとき
value1:=value1+ch; //value1に数字を付け足す
label1.Caption:=value1+'1';
if st=0 then st:=1;
end;
3:begin //数学記号が押されている場合
if ch='p' then exit; //数学記号が押されたときは終了
if ch='=' then exit; //＝が押されてたときは終了
if ch='C' then begin //クリアキーが押された場合
st:=0; //stの値を０にする
label1.Caption:='01';
exit;
end;
if ch='.' then begin/ /小数点が押された場合
value2:='0.';
label1.Caption:=value2+'1';
st:=5; //stの値を５にする
exit;
end;
//数字キーが押されたとき
value2:=ch; //value2に数字を代入する
label1.Caption:=value2+'1';
if st =3 then st:=4; //もしstが３ならstを４にする
end;
4,5:begin //数学記号が押された後，数字や小数点が押されている場合
if ch='p' then exit; //数学記号が押されたときは終了
if ch='=' then begin //＝が押された場合
case label1.Tag of
1:begin
label1.Caption:=floattostr(strtofloat(value1)+strtofloat(value2))+'1';
end;
2:begin
label1.Caption:=floattostr(strtofloat(value1)-strtofloat(value2))+'1';
end;
3:begin
label1.Caption:=floattostr(strtofloat(value1)*strtofloat(value2))+'1';
end;
4:begin
label1.Caption:=floattostr(strtofloat(value1)/strtofloat(value2))+'1';
end;
end;
st:=6; //stを６にする
exit;
end;
if ch='C' then begin; //クリアキーが押された場合
label1.Caption:='01'; //表示を'01'にする
value2:=''; //value2の文字列を空にする
st:=3; //stを３にする
end;
if ch='.' then begin //小数点が押された場合
if st=5 then exit; //stが５なら終了
value2:='0.';
label1.Caption:=value2+'1';
st:=5;
exit;
end;
//数字キーが押された場合
value2:=value2+ch;
label1.Caption:=value2+'1';
end;
6:begin //＝が押された後の場合
if ch='p' then exit; //数学記号が押されたときは終了
if ch='=' then exit; //＝が押されたときは終了
if ch='C' then begin //クリアキーが押された場合
label1.Caption:='01';
st:=0;
exit;
end;
if ch='.' then begin //小数点が押された場合
value1:='0.';
label1.Caption:=value1+'1';
st:=2;
exit;
end;
//数字キーが押された場合
value1:=ch;
label1.Caption:=value1+'1';
st:=1;
end;
end;
end;
これで一応計算することはできますが，これだけのことをするならもう少し簡単にプログラムできると思います。しかしこれから改良するときには，場合分けしておいた方が次の作業が簡単にできると思います。
この段階で改良すべき点は，
（１） 「＝」キーを押して表示された数を使ってさらに計算を進められるようにする。
（２） 「＝」キーを押す代わりに「＋」や「－」などの数学記号を押したときにもそれまでの計算を行い，さらに計算を進められる
ようにする。
の２つです。
（１）については，stが６のときに，記号キーが押されたら表示されている答えをvalue1に代入して，stを３にすることで解決します。
（２）についてはstが４または５のときに，記号キーが押されたら「＝」キーと同じように計算を行い，その答えをvalue1に代入し，stを３にすることで解決します。
これらについては，次回プログラムを書いてみます。