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コンポーネントを動的に作成する

　フォームに設置するコンポーネントは，通常フォームの設計時に配置しますが，同じ働きをするコンポーネントなどを大量に使用する場合は，プログラムで作成した方が効率的なことがあります。
　以下に記すコードではパネルを作成していますが，この動的に作成する方法はすべてのコンポーネントに共通です。
　ここでは，フォームにボタンを１個貼り付け，Button1Clickイベントハンドラを作成します。

private 　
{ Private 宣言 }
　pnl:array[1..10] of Tpanel;　//←これを書き込みます。
public 　
{ Public 宣言 }
end;

　var
　　Form1: TForm1;
　
　implementation
　
　
{$R *.dfm}
　
procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
　var
　　i:integer;　//iを整数型の変数として宣言します
begin
　//Panelを動的生成
　for i:=1 to 5 do begin　//パネルを５個作るために五回繰り返す。
　　pnl[i]:=Tpanel.Create(form1);　//pnl[1]〜pnl[5]という名前で作成する。
　　pnl[i].Parent:=form1;　//パネルをform1に作成する。
　　pnl[i].Left:=50+i*50;　//パネルの左端（ｘ座標）を５０ピクセル間隔で並べる。
　　pnl[i].Top:=50;　//パネルの上端（ｙ座標）を５０ピクセルにする。
　　pnl[i].Width:=40;　//パネルの幅を40ピクセルにする。
　　pnl[i].Height:=40;　 //パネルの高さを40ピクセルにする。
　end;
　//Panelを動的生成終了
end;

　これを実行すると，フォームに５個横に並んだ状態でパネルが表示されます。
　これだけでは，ただ表示されるだけですので，これを動かせるようにしてみます。
　まず，それぞれのパネルのイベントを作成するために，フォーム上にPanelコンポーネントを１つ貼り付けた後，
　　　Panel1MouseDown
　　　Panel1MouseMove
　　　Panel1MouseUp
　の３つのイベントハンドラを作成します。

unit sample1;

interface

uses
　Winapi.Windows, Winapi.Messages, System.SysUtils, System.Variants, System.Classes,
　Vcl.Graphics, Vcl.Controls, Vcl.Forms, Vcl.Dialogs, Vcl.ExtCtrls, Vcl.StdCtrls;

type
　TForm1 = class(TForm)
　　Button1: TButton;
　　Panel1: TPanel;
　　procedure Button1Click(Sender: TObject);
　　procedure Panel1MouseDown(Sender: TObject; Button: TMouseButton;
　　　Shift: TShiftState; X, Y: Integer);
　　//上のprocedure Panel1MouseDownをprocedure pnlMouseDownと書きかえます。
　　procedure Panel1MouseMove(Sender: TObject; Shift: TShiftState; X,
　　　　Y: Integer);
　　//上のprocedure Panel1MouseMoveをprocedure pnlMouseMoveと書きかえます。
　　procedure Panel1MouseUp(Sender: TObject; Button: TMouseButton;
　　　　Shift: TShiftState; X, Y: Integer);
　　//上のprocedure Panel1MouseUpをprocedure pnlMouseUpUpと書きかえます。
　private
　　
{ Private 宣言 }
　　pnl:array[1..10] of Tpanel;　//imageの動的生成
　public
　　
{ Public 宣言 }
　end;

　var
　　Form1: TForm1;

　implementation

　{$R *.dfm}

procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
　var
　　i:integer;　//iを整数型の変数として宣言します
begin
　//Panelを動的生成
　for i:=1 to 5 do begin　//パネルを５個作るために五回繰り返す。
　　pnl[i]:=Tpanel.Create(form1);　//pnl[1]〜pnl[5]という名前で作成する。
　　pnl[i].Parent:=form1;　//パネルをform1に作成する。
　　pnl[i].Left:=50+i*50;　//パネルの左端（ｘ座標）を５０ピクセル間隔で並べる。
　　pnl[i].Top:=50;　//パネルの上端（ｙ座標）を５０ピクセルにする。
　　pnl[i].Width:=40;　//パネルの幅を40ピクセルにする。
　　pnl[i].Height:=40;　//パネルの高さを40ピクセルにする。
　　pnl[i].OnMouseDown:=pnlMouseDown;　//←これを書き加えます。
　　pnl[i].OnMouseMove:=pnlMouseMove;　//←これを書き加えます。
　　pnl[i].OnMouseUp:=pnlMouseUp;　//←これを書き加えます。
　end;
　//Panelを動的生成終了
end;

//以下の部分が新たに書かれた部分です。

//下の行の TForm1.Panel1MouseDown を TForm1.pnl1MouseDown と書きかえます。
procedure TForm1.Panel1MouseDown(Sender: TObject; Button: TMouseButton;
　　Shift: TShiftState; X, Y: Integer);
begin

end;

//下の行の TForm1.Panel1MouseMove をTForm1.pnl1MouseMove と書きかえます。
procedure TForm1.Panel1MouseMove(Sender: TObject; Shift: TShiftState; X,
　　Y: Integer);
begin

end;

//下の行の TForm1.Panel1MouseUp を TForm1.pnl1MouseUp と書きかえます。
procedure TForm1.Panel1MouseUp(Sender: TObject; Button: TMouseButton;
　　Shift: TShiftState; X, Y: Integer);
begin

end;

end.

　ここまで作成したら，フォーム上に貼り付けたPanelコンポーネントを削除します。
　次に，pnlMouseDown，pnlMouseMove，pnlMouseUpのイベントハンドラに下のようなプログラムコードを記述します。

unit sample1;

interface

uses
　Winapi.Windows, Winapi.Messages, System.SysUtils, System.Variants, System.Classes,
　Vcl.Graphics, Vcl.Controls, Vcl.Forms, Vcl.Dialogs, Vcl.ExtCtrls, Vcl.StdCtrls;

type
　TForm1 = class(TForm)
　　Button1: TButton;
　　Panel1: TPanel;
　　procedure Button1Click(Sender: TObject);
　　procedure pnlMouseDown(Sender: TObject; Button: TMouseButton;
　　　Shift: TShiftState; X, Y: Integer);
　　procedure pnlMouseMove(Sender: TObject; Shift: TShiftState; X,
　　　　Y: Integer);
　　procedure pnlMouseUp(Sender: TObject; Button: TMouseButton;
　　　　Shift: TShiftState; X, Y: Integer);
　private
　　
{ Private 宣言 }
　　pnl:array[1..10] of Tpanel;　//imageの動的生成
　　panelx,panely:integer;　//←これを記述
　　mousedown:boolean;　//←これを記述
　public
　　
{ Public 宣言 }
　end;

　var
　　Form1: TForm1;

　implementation

　{$R *.dfm}

procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
　var
　　i:integer;　//iを整数型の変数として宣言します
begin
　//Panelを動的生成
　for i:=1 to 5 do begin　//パネルを５個作るために五回繰り返す。
　　pnl[i]:=Tpanel.Create(form1);　//pnl[1]〜pnl[5]という名前で作成する。
　　pnl[i].Parent:=form1;　//パネルをform1に作成する。
　　pnl[i].Left:=50+i*50;　//パネルの左端（ｘ座標）を５０ピクセル間隔で並べる。
　　pnl[i].Top:=50;　//パネルの上端（ｙ座標）を５０ピクセルにする。
　　pnl[i].Width:=40;　//パネルの幅を40ピクセルにする。
　　pnl[i].Height:=40;　//パネルの高さを40ピクセルにする。
　　pnl[i].OnMouseDown:=pnlMouseDown;　//←これを書き加えます。
　　pnl[i].OnMouseMove:=pnlMouseMove;　//←これを書き加えます。
　　pnl[i].OnMouseUp:=pnlMouseUp;　//←これを書き加えます。
　end;
　//Panelを動的生成終了
end;

procedure TForm1.pnlMouseDown(Sender: TObject; Button: TMouseButton;
　　Shift: TShiftState; X, Y: Integer);
　var
　　i:integer;　//iを整数型の変数に宣言する
begin
　for i:=1 to 5 do　//pnl[1]からpnl[5]の，どのパネルでマウスが押されたか調べるために，１から５まで繰り返す
　begin
　　if sender=pnl[i] then　//sender=pnl[i]で押されたパネルがわかる。
　　begin
　　　mousedown:=true;　//mousedown:=trueでマウスが押されたことを認識させる
　　　panelx:=x;　 //変数panelxにマウスが押されたパネルのｘ座標を代入
　　　panely:=y;　 //変数panelyにマウスが押されたパネルのｙ座標を代入
　　　exit;
　　end;
　end;
end;

procedure TForm1.pnlMouseMove(Sender: TObject; Shift: TShiftState; X,
　　Y: Integer);
　var
　　i:integer;　//iを整数型の変数に宣言する
begin
　for i:=1 to 5 do
　begin
　　if sender=pnl[i] then　//MouseDownと同じように，どのパネルの上でマウスが動かされたのか調べる
　　begin
　　　if mousedown=true then
　　　begin
　　　　pnl[i].left:=pnl[i].left+x-panelx;
　　　　pnl[i].top:=pnl[i].top+y-panely;
　　　end;
　　end;
　end;
end;

procedure TForm1.pnlMouseUp(Sender: TObject; Button: TMouseButton;
　　Shift: TShiftState; X, Y: Integer);
begin
　mousedown:=false;　//マウスボタンが上がったことを認識させる
end;

end.

　これを実行すると，ボタンを押すことで，パネルが５個生成されます。
　そして，それぞれのパネルはドラッグして動かすことができます。

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