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経過時間を正確に計測する

　あるイベントが発生してから，次のイベントが起きる時間を測定する方法を考えてみたいと思います。
　
　すぐに思いつくのはtimerコンポーネントを使う方法です。しかしtimer1.intervalが1000のとき，１秒といわれていますが，これはあまり信頼性がありません。そのため，時間を正確に測定する場合には不向きです。
　
　そのため，時間を正確に測定する場合には，イベントの発生した時刻と，次のイベント発生時の時刻の２つを記録し，その間の時間を求める方法を使います。
　
　下の例では，フォームにボタンを２個，ラベルを１個貼り付けます。そして，下のようにプログラムソースを記述します。

　private
　{ Private 宣言 }
　　t1,t2:tdatetime;　//t1とt2を時間型の変数に宣言する
　public
　{ Public 宣言 }
　　：
　　：
　procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
　begin
　　t1:=time;　//t1に現在の時刻を代入する
　end;
　
　procedure TForm1.Button2Click(Sender: TObject);
　　var
　　　hour,min,sec,msec:word;　//４つの変数をword型の整数に宣言する
　begin
　　t2:=time-t1;　//t2に現在の時刻からt1の時刻を引いた時間を代入する
　　decodetime(t2,hour,min,sec,msec);　//t2を時間と分と秒とミリ秒に分解する
　　label1.Caption:=inttostr(sec)+'秒'+inttostr(msec);　//label1に秒とミリ秒を表示する
　end;

　上の例では，button1を押し，次にbutton2を押すと，その間の時間をlabel1に表示します。（ここで表示するのは秒と，ミリ秒だけです。）


　これを使って，ストップウォッチを作ってみます。最初の例では途中の時間を表示しませんでしたが，今度はtimerコンポーネントを使って途中の時間も表示するようにしてみます。

フォームに設置するのは，buttonを１個，labelを７個（見栄えをよくするためです），そしてtimerコンポーネントを貼り付け，下図のようにしてみます。
　
　上の例で，「００」と表示されているラベルは左から，label1,label3,label5,label7です。

　それぞれのコンポーネントの設定は，
　・　button1.Captionをスタートにします。
　・　timer1についてはenableをfalse,Intervalあまり小さい数にすると表示が間に合わないような感じがしますので，７０くらいにしておきます。

　private
　{ Private 宣言 }
　　t1,t2:tdatetime;　//t1とt2を時間型の変数に宣言する
　public
　{ Public 宣言 }
　end;
　　：
　　：
　procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
　var
　　hour,min,sec,msec:word;　//４つの変数をword型の整数に宣言する
　begin
　　if button1.Caption='スタート' then begin　//もしbutton1の表示が「スタート」なら
　　　t1:=time;　//t1に現在の時刻を記録
　　　button1.Caption:='ストップ';　//button1の表示を「ストップ」にする
　　　timer1.Enabled:=true;　//timerを作動させる
　　end else begin　//button1の表示が「スタート」以外のとき
　　　timer1.Enabled:=false;　//timerを止める
　　　t2:=time-t1;　//現在の時刻からスタート時の時刻を引く
　　　decodetime(t2,hour,min,sec,msec);　//時間を分解
　　　if hour<10 then begin　//もし時間が１ケタなら
　　　　label1.Caption:='0'+inttostr(hour);　//label1に０をつけて時間を表示
　　　end else begin　//それ以外のとき
　　　　label1.Caption:=inttostr(hour);　//label1に時間をそのまま表示
　　　end;
　　　if min<10 then begin　//もし分が１ケタなら
　　　　label3.Caption:='0'+inttostr(min);　//label3に０をつけて分を表示
　　　end else begin　//それ以外のとき
　　　　label3.Caption:=inttostr(min);　//label3に分をそのまま表示
　　　end;
　　　if sec<10 then begin　//もし秒が１ケタなら
　　　　label5.Caption:='0'+inttostr(sec);　//label5に０をつけて秒を表示
　　　end else begin　//それ以外のとき
　　　　label5.Caption:=inttostr(sec);　//label5に秒をそのまま表示
　　　end;
　　　if msec<100 then begin　//もしミリ秒が２ケタ以下なら
　　　　label7.Caption:='0'+inttostr(msec div 10);　//label7に０をつけてミリ秒を１／１００秒まで表示
　　　end else begin　//それ以外のとき
　　　　label7.Caption:=inttostr(msec div 10);　//label7にミリ秒を１／１００秒まで表示
　　　end;
　　　button1.Caption:='スタート';　//button1の表示を「スタート」にする
　　end;
　end;

　procedure TForm1.Timer1Timer(Sender: TObject);
　var
　　hour,min,sec,msec:word;　//４つの変数をword型の整数に宣言する
　begin
　　t2:=time-t1;　//現在の時刻からスタート時の時刻を引く
　　decodetime(t2,hour,min,sec,msec);　//時間を分解
　　if hour<10 then begin　//もし時間が１ケタなら
　　　label1.Caption:='0'+inttostr(hour);　//label1に０をつけて時間を表示
　　end else begin　//それ以外のとき
　　　label1.Caption:=inttostr(hour);　//label1に時間をそのまま表示
　　end;
　　if min<10 then begin　//もし分が１ケタなら
　　　label3.Caption:='0'+inttostr(min);　//label3に０をつけて分を表示
　　end else begin　//それ以外のとき
　　　label3.Caption:=inttostr(min);　//label3に分をそのまま表示
　　end;
　　if sec<10 then begin　//もし秒が１ケタなら
　　　label5.Caption:='0'+inttostr(sec);　//label5に０をつけて秒を表示
　　end else begin　//それ以外のとき
　　　label5.Caption:=inttostr(sec);　//label5に秒をそのまま表示
　　end;
　　if msec<100 then begin　//もしミリ秒が２ケタ以下なら
　　　label7.Caption:='0'+inttostr(msec div 10);　//label7に０をつけてミリ秒を１／１００秒まで表示
　　end else begin　//それ以外のとき
　　　label7.Caption:=inttostr(msec div 10);　//label7にミリ秒を１／１００秒まで表示
　　end;
　end;

　これを実行し，「スタート」ボタンを押すと数字が動き始めます。
　
　サンプルプログラムではラップタイムも残せるようにしてみました。興味のある方はご覧ください。

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